天然腸内細菌叢由来の食物代謝物であるウロリチンAの補給が高齢者の骨格筋に与える影響を検討した結果が1月20日、「AMA Network Open」オンラインに掲載された。

今回の研究では、65～90歳の高齢者66人を対象とした4か月間のランダム化臨床試験を実施。1000mgのウロリチンAの補給を受けた人とプラセボを使用した人とを比較。ウロリチンAの経口投与が、6分間の歩行距離、手足の筋肉の筋持久力、およびミトコンドリアと細胞の健康に関連するバイオマーカーを改善したかどうかを調査した。

その結果、1000mgのウロリチンAの補給により、手と脚の両方の骨格筋の筋耐久性（疲労までの筋収縮数）が大幅に改善した。アシルカルニチン、セラミド（ミトコンドリアの健康バイオマーカー）、およびC反応性タンパク質の血漿レベルは、ウロリチンAの補給後に減少した。これらの発見は、ウロリチンAが安全で忍容性が高く、高齢者の筋持久力とミトコンドリアの健康に有益であることを示している。また、加齢に伴う筋肉の衰えに対抗するための有望なアプローチである可能性も示唆された。