レスリング選手の急速減量法とレスリングスタイルによる方法の違いを検討した調査結果が10月11日、「Journal of the International Society of Sports Nutrition」オンラインに掲載された。

一流のレスリング選手が用いる急速減量方法は全く調査されてきていなかった。今回の研究にはセルビアのベオグラードで開催された世界選手権に出場した計229人のレスラーが参加した。参加者はグレコローマン、フリースタイル、女性の3つに分類され、急速減量方法を評価するために設計されたアンケート調査に回答した。

その結果、ほとんどの回答者は、競技の約7日前に減量を開始し、目標体重に到達するまでに3.84±2.82キロの減量をしていた。急速減量戦略で最も影響力のある人はレスリングのコーチであり、栄養士と医師は減量プロセスに影響しなかった。最も頻繁に使用された減量方法は、運動量の増加、段階的なダイエット、暖房した部屋でのトレーニング、サウナだった。ダイエットピル、利尿薬、下剤、および嘔吐はほとんど実施されていない方法だった。今回の結果から、健康への悪影響にもかかわらず、ほとんどのレスラーが急速減量法を実施していることが分かった。急速減量の負の影響を制御または軽減するためにはレスリングコーチの教育が必要であると示唆された。