美白スキンケア市場、カネボウ売上減分を巡り競争激化の予想
2013.12.20
編集部
マーケティングリサーチ会社の株式会社総合企画センター大阪(大阪市西区)は12月20日、美白スキンケア市場について調査結果の概要を発表した。同社調べによると、2013年度については、カネボウ化粧品の白斑被害問題で、美白スキンケア市場は2012年度比0.5%減で推移する見通し。しかし、カネボウの白斑問題が市場に与える影響は限定的で、今後カネボウの売上減分を巡ってさらなる競争激化が予想される、と分析している。
同社調べによると、2012年度の美白スキンケア市場は前年度比1.0%増の2,120億円となり、2年連続の堅調推移だった。外資系の百貨店ブランドが、消費マインドの回復を受けて需要を取り戻したことが要因。また、ネット通販の強化や「コスメーム」「イセタンミラー」といったセミセルフ型のマルチブランドストアへの参入などを通じて、美白のメインユーザー層である20~30代やこれまで百貨店で化粧品を購入したことのない層へのアプローチに成功していることも好調な要因、としている。
具体的にみると、ディオールやシャネルが前年度比2桁増と好調に推移し、日本ロレアルも「キールズ」が出店を増やし売上を大きく伸ばした。P&Gは 「SK-II」の主要アイテムである美容液の値下げで新規顧客・リピート顧客が大幅に増加し、好調な推移につながっている。国内制度系企業では、 コーセーの「雪肌精」が新イメージキャラクターを起用で20代を中心とする若年層の開拓に成功。姉妹ブランドの「清肌晶」も相乗効果で売上を順調に伸ばした。
2013年度については、これまで市場を牽引してきたカネボウ化粧品の白斑被害による回収問題の影響を受けて、美白スキンケア市場は2012年度比0.5%減で推移する見通しだ。ただし、競合企業の多くは、白斑問題が浮上する以前の2013年上期から下期にかけて好調に推移しており、カネボウ化粧品以外の企業全体では3~4%程度の伸長が見込まれるそうだ。
- 参考リンク
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「2014年 美白スキンケアの市場分析調査」