うがい薬は心臓発作のリスクを増加させる?
2014.01.28
編集部
うがい薬は心臓発作のリスクを増加させるかもしれないとイギリスの科学者が主張していると英テレグラフ紙は1月26日オンライン版で報じた。今回の研究対象になったのは防腐クロルヘキシジンを含有するマウスウォッシュで Journal Free Radical Biology And Medicine で発表されたとしている。
殺菌効果が高いことで知られるクロルヘキシジンは術前術後や歯周病などの治療に処方される。ただ、血管拡張を促す作用のある亜硝酸塩を作成するのに役立つ菌も殺してしまい、その結果、 血圧を上げてしまうリスクを伴う。
ロンドンのクイーンメアリー大学の Amrita Ahluwalia教授が19人のボランティア を対象にイギリスで市販されているうがい薬「Corsodyl」(クロルヘキシジン0.2%濃度 含有)を1日2回の頻度で使用してもらうと、ボランティアの血圧は、2〜 3.5mmHg上昇したという。 Ahluwalia教授は、 歯茎や歯の感染症を持っている人に消毒うがい薬の使用を中止するよう言っているのではないが、毎日、すべての菌を殺すことは弊害になるとコメントしている。血圧が2ポイント上昇した場合、心臓疾患による死亡リスクを7%、脳卒中による死亡リスクを10%上昇させるという別の研究報告も比較に出している。
イギリスではうがい薬の消費量は多く、マウスウォッシュ市場は180百万ポンドとも推定される。国内展開している大手ドラッグストアはクロルヘキシジン0.2%濃度に匹敵する化学物質を使用した消毒うがい薬を市販している。現在、日本では高濃度のうがい薬の使用は禁止されており、0.05%未満の濃度の製品が市販されている。
一方、イギリスの歯科専門家は、このような小規模な研究から結論を引き出すことに警告を発している、とテレグラフ紙は付け加えている。