ベジタリアン（菜食主義）には血圧が低い人が多いようだが、菜食中心の食事が血圧を下げるのかについては、医師の間でも意見が分かれている。この疑問に決着をつけるべく、日本の国立循環器病研究センターの研究者らによる既存の研究の解析結果が2月24日、「JAMA Internal Medicine」オンライン版に掲載された。

今回の研究での「ベジタリアン」は、肉食は含まないか、まれに食べる程度、卵、乳製品、魚は食べてもよいという定義とした。32の観察研究の結果を分析したところ、ベジタリアンの食事が収縮期血圧（最大血圧）、拡張期血圧（最小血圧）の上下両方の血圧を下げることと関係していることがわかった。「このような食事は、血圧を下げるのに薬に頼らない有効な方法の可能性がある」と研究者らは述べている。

菜食主義と訳される「ベジタリアン」だが、肉を食べないという1点以外では方法はさまざま。上記の研究の定義のように、肉は食べないが卵、乳製品、魚は食べてもよいとするベジタリアンは日本の伝統食に似ており、欧米人では実践している人は多い。また、植物性の食品しか口にしない徹底したベジタリアンも存在する。その理由は健康上の目的だけではなく、宗教や思想に基づいている場合も多い。