カラコンは透明レンズよりも眼障害を起こしやすいものがあると判明

最新商品

2014.05.29

編集部

国民生活センターはカラーコンタクトレンズ(カラコン)の安全性や使用実態を調査し、5月22日、その結果を発表した。調査の結果、カラーコンタクトレンズにはレンズの品質が原因で透明なコンタクトレンズよりも眼障害を起こしやすいものがあることが判明した。また、レンズの直径などで国の承認基準を満たしていないものや着色部分がレンズ表面に出ていたりするものもあった。

全国消費生活情報ネットワーク・システムには、カラーコンタクトレンズに関する相談が2004年4月1日から2014年3月31日までの 10 年間で737件寄せられいる。相談は2007 年度頃から増加し、2009 年度からは年間 100件前後で推移。このうち、危害情報は10 年間に 73 件と相談の 1割程度。通信販売での購入が 8割を超え、店舗販売の約 5 倍。購入年齢は 10 歳代が 50.8%(374 件)と最も多い。

調査は日本コンタクトレンズ学会、公益社団法人日本眼科医会との共同で実施し、承認基準(物理的要求事項)に関する試験や目に及ぼす影響などを調べた。調査対象は、インターネット通信販売の大手ショッピングモール上での「カラーコンタクト」人気ランキングやコンタクトレンズ専門店のホームページ、女性誌などから、利用者数が多いと想定される17銘柄を選んだ。日本で未承認の商品を海外から個人輸入するサイトも多くあり、参考として個人輸入品3銘柄についても調べた。

同センターの調査結果では、レンズの直径で承認基準の表示の許容差を超えるものが17銘柄中2銘柄、ベースカーブの測定では、承認基準の表示の許容差を超えるものが17銘柄中5銘柄あった。レンズの度数では、個人輸入の3銘柄中2銘柄で表示との差が一定値を超えるものがあった。

目に及ぼす影響の調査では、カラーコンタクトレンズを8時間装用したときのコンタクトレンズ矯正視力は、通常使用している透明なコンタクトレンズの場合よりも16銘柄中12銘柄で低くなる傾向がみられた。

カラーコンタクトレンズの安全性-カラコンの使用で目に障害も- - n-20140522_1

ジョンソン・エンド・ジョンソン社の「ワンデーアキュビューディファイン」を除く16銘柄で治療やコンタクトレンズ使用中止等の対応が必要な程度の角膜障害、結膜上皮障害、輪部充血などがみられた。個人輸入の1銘柄では商品に銘柄名、販売者名、直径等が確認できなかった。

2009 年11 月から「度なし」のカラーコンタクトレンズも高度管理医療機器として製造販売のためには厚生労働大臣の承認が必要になった。2009年に承認を受けたカラーコンタクトレンズは 10 品目以下だったが、2013 年には 300品目程度に増え、利用者も増加している。2012 年に日本コンタクトレンズ学会が行った眼障害調査では、7月~9月の 3 カ月間にカラーコンタクトレンズによる眼障害が395症例報告された。中でも重篤と考えられる眼障害(角膜かいよう、角膜浸潤)の割合は、公益社団法人日本眼科医会が行ったコンタクトレンズ全体の眼障害の調査結果よりも高い。この原因として、カラーコンタクトレンズは透明なコンタクトレンズに比べ酸素透過性が低い、着色部位により角膜や結膜を擦る可能性があるなど、レンズ自体の安全性の問題や、正しいケアが行われていないなどの使用方法の問題が挙げられていた。今回10代、20代を対象とした使用実態のアンケートでも誤った使用方法や正しいケアをしていない人が多数いた。

#

↑