グレープフルーツ・ダイエット再び?
2014.10.14
国際部
グレープフルーツジュースの体重増加抑制効果の研究が10月8日、「PLOS ONE」オンライン版に掲載された。
研究は、カリフォルニア大学バークレー校のJoseph Napoli、Andreas Stahl両氏が率いるチームにより行われた。グレープフルーツは、1930年代からダイエットに効果があることで利用されてきており、当時の研究では急激な体重の減少を促進する脂肪燃焼酵素が含まれているためとされていた。日本では2003年ごろ「グレープフルーツ・ダイエット」とブームとなっている。今回の研究は、この脂肪燃焼効果に疑問を持ったところからはじまった。
研究者らは、5つのグループに分けたマウスに、果肉を取り除いてそれぞれ異なった濃度に薄めたグレープフルーツジュースを100日間与えた。ジュースは苦みを少なくするために、人工甘味料のサッカリンを少量添加した。グループのうちの一つを高脂肪食で水のみを与えて基準とし、他のグループとグレープフルーツジュースの効果について比較した。
その結果、高脂肪食にグレープフルーツジュースを与えたマウスは、水だけのマウスに比べて体重増加が18%も押さえられ、また大きな体重減少も見られた。また、血中グルコースレベルが13-17パーセント減少、インスリンレベルも3倍の減少を示した。低脂肪食にグレープフルーツジュースのグループでは体重に影響はなかったが、インスリンレベルは2倍の減少を示した。
研究者らは、高脂肪食を与えたマウスの血中グルコースレベルの改善とインスリン耐性を低下させたと報告した。しかし、体重増加を抑制した原因については、説明できるところまでいかなかったと述べている。今回のグレープフルーツのダイエット効果については、ヒトによる試験も視野に入れて継続されるという。
グレープフルーツは多くの医薬品と飲み合わせが悪いことでも知られている。特に有名なものには血圧を下げるカルシウム拮抗剤で、グレープフルーツに多く含まれる成分フラノクマリンの影響により、降圧効果が増強されるため要注意となっている。