ミルクを飲んでも骨粗しょう症リスクは変わらない

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2014.10.31

国際部

牛乳をよく飲む人で骨折リスクは減らず、むしろ死亡率の上昇につながっていたという研究結果が10月28日、「BMJ」オンラインに掲載された。

この研究はスウェーデンの人口コホート3グループ(女性約6万人と男性約4万5千人)を対象に追跡調査したもの。乳製品の摂取がカルシウム豊富な食生活となり、骨粗しょう症を防ぐというこれまでの研究とは矛盾した結果となった。

研究では、参加者の食生活を一般的な96の食品の摂取に関するアンケートにより検討した。その結果、1日3杯以上の牛乳を飲む女性は、1杯以下の女性に比べ死亡ハザード比(確率)が1.93だった。これは牛乳1杯の死亡ハザード比が1.15となることを意味し、男性の死亡ハザード比は1.05だった。牛乳摂取量と骨折リスクの低下に関係は見られなかったが、牛乳の摂取量と酸化ストレスや炎症のバイオマーカーが正の関連を示していた。対照的に、ヨーグルトやチーズなど、乳糖(ラクトース)含有量の低い発酵乳製品の大量摂取は死亡率および骨折の減少と関連していた。

定説とは異なるこの結果について研究者らは、牛乳に含まれる糖のラクトースと死亡率上昇に因果関係があるのではないかとし、さらなる研究が望まれている。

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