風邪症状を早く治す亜鉛トローチ
2015.03.19
編集部
高用量の酢酸亜鉛トローチ錠でさまざまな風邪の症状が早期に解消したという論文が2月25日、「BMC Family Practice」オンライン版に掲載された。
亜鉛は保健機能食品 (栄養機能食品) の対象成分。「味覚を正常に保つ」「肥満予防」「薄毛・脱毛に効果」などといわれ、栄養サプリメントとして市販されている。一方で過剰摂取により神経症状、免疫障害、銅欠乏症などを起こす危険性も指摘されている。
今回、フィンランド・ヘルシンキ大学の研究者らは、風邪症状に対する酢酸亜鉛トローチ錠の効果に関する3つの試験結果を分析した。トローチ錠には1日摂取量にして 80–92mgの酢酸亜鉛が含まれていた。
鼻汁の期間を34%、鼻づまりの期間を37%、くしゃみの期間を22%、のどの炎症の期間を33%、のどの不快感の期間を18%、声がれの期間を43%、せきの期間を46%、筋肉痛の期間を54%短縮した。頭痛、発熱の期間に短縮は見られなかった。この結果から、高用量の酢酸亜鉛は風邪の中でも特に鼻・のど周辺の症状に効果があることがわかった。