【連載】ポーラ・オルビス国内外で攻勢、ファンケル収益見通し狂う(下)

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2015.04.22

編集部

ポーラ・オルビスホールディングス(HD)は、2020年までの長期ビジョン(図)を推進中。長期ビジョンは、ステージ1「国内基幹ブランドの安定収益確保と海外での成功モデル創出」(2011年~2013年)、ステージ2「海外展開を加速」(2014年~2016年)、ステージ3「高収益グローバル企業へ」(2017年~2020年)の3つのステージ(期間)に分けて取り組んでいるもの。

ポーラオルビス2000年ビジョン

長期ビジョンでは、ダイレクトマーケティング、研究開発力の強みを活かして顧客満足を実現する。また、基幹ブランドの海外展開を加速し、美と健康分野のグローバル企業を目指す。その実現に向けて「国内で年平均成長率2%程度の安定成長」「アジアを中心とした海外での基幹ブランド展開」「国内外でのM&A・アライアンスによる成長の加速」の3点に重点的に取り組む。

こうした施策により長期ビジョン終了後に売上規模(連結)2,500億円以上、海外売上比率20%以上、営業利益率13~15%を達成する。

同社は現在、ステージ2(2014年~2016年)の取り組みを行っている。2016年までに売上高2,100億円、海外売上比率15%以上、営業利益率11%以上を目標に掲げる。

これらの目標を達成するための施策として国内においては、エイジングケア、ホワイトニング領域で新製品を継続投入。また、メイク以外の生産を外注化し原価率を低減。さらに成長ドライバーのエステサロン併設型「ポーラザビューティ」を年間20~30店程度、継続出店する。さらに「育成ブランドの成長加速」についてPDC、フューチャーラボ、オルラーヌなど5ブランドの育成・強化を図り全体で年平均10%の売上成長と2016年に黒字化を目指す。海外展開については、ポーラで「中国での訪販チャネル開発」「ロシア・周辺地域でのカウンセリング販売」、オルビスで「中国での通販事業の展開強化」を進めている。

持株会社へ経営体制を移行(2014年4月)したファンケルは、2014年3月から2016年3月までの中期戦略に取り組んでいる。

中期戦略は、3年間で主力製品の原価率5%低減を目指す採算性重視の経営や中高年向け製品の強化、卸チャネルの強化を図るなどが骨子。

同社は、2012年度を初年度に2014年度までの前3ヵ年経営計画で、数値目標として掲げた2015年3月期(連結)売上高1,010億円、営業利益80億円がいずれも未達成で、今期(2016年3月期)に持ち越しとなった。

参考リンク
【連載】化粧品各社業績V字回復見えず(上)
【連載】資生堂、2020年度に売上高1兆円目指す、コ-セー攻めの改革推進(中)

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