円形脱毛症患者に亜鉛サプリの可能性

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2015.07.15

国際部

治療で効果が見られない円形脱毛症患者には亜鉛のサプリメントが効くかもしれないという論文が7月3日、「International Journal of Dermatology」オンライン版に掲載された。

亜鉛は毛根を包み込む組織・毛包の機能に必要な微量元素。今回の研究では、新たに円形脱毛症と診断された、もしくは治療抵抗性のある患者計50人と、年齢・性別を合わせた健常者50人の血中亜鉛濃度を比較した。

その結果、健常者と比べ円形脱毛症の患者では亜鉛濃度が低かった。円形脱毛症患者の中では、治療抵抗性の患者のほうが、亜鉛濃度が低かった。また、病気の期間が長く、症状の重症度が高いほど亜鉛濃度が低いという逆相関があることもわかった。研究者らは、円形脱毛症の診断に亜鉛の濃度が使えること、また、亜鉛サプリメントが治療を有効にする可能性があることを示唆した。

日本では現在、日本皮膚科学会によって円形脱毛症治療ガイドラインが作成されている。病気期間と脱毛面積によって違いはあるが、外用薬ではステロイドや塩化カルプロニウムなど、内服薬ではセファランチンなどが使用される。重症の場合には、弱い皮膚炎を起こす薬剤を塗布する局所免疫療法が行われている。

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