携帯電話でうつチェック

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2015.07.22

国際部

携帯電話によるうつ病チェックの有効性を示唆する報告が7月15日、「Journal of Medical Internet Research」オンライン版に掲載された。

広く普及している携帯電話は「いたるところに存在している」という意味を持つ、「ユビキタス」なツールである。米ノースウエスタン大学の研究者らは、携帯電話を用いれば、利用者に意識されることなく、うつ症状の指標となるかもしれない行動パターンのモニターに使えるのではないかと考えた。

一般から募集した成人40人にデータ取得アプリを搭載した携帯電話を2週間所持してもらう調査を実施した。調査開始時に、参加者には自己申告うつ病調査票(PHQ-9)に回答してもらった。このうち28人から解析に十分なデータを収集できた。

その結果、GPSデータから、24時間の行動パターン、お気に入りの場所から場所への移動、場所の分散傾向などが抑うつ症状の重症度と関連することがわかった。電話の使用時間や頻度も関連を示した。研究者らは、さらに大規模な研究が必要としながらも、負担をかけることなく、リアルタイムで情報取得ができる携帯電話を使ったうつ病リスクのある患者のモニタリングの可能性を示した。

現在よく使われているうつ病スクリーニングツールのPHQ-9は「この2週間で次のような問題に、どのくらい頻繁に悩まされていますか」で始まり、全9問の項目からなる質問票。例えば「物事にほとんど興味がない、または楽しめない」「死んだほうがまし、または自分を何らかの方法で傷つけようと考えた」などで、回答は「全くない」から「ほとんど毎日」までの4段階となっている。

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