4種類のUVフィルターで毛髪保護効果を確認
2015.07.24
国際部
ヘアケア製品などに含まれるUVフィルターの光防護効果の検証実験が7月15日、「International Journal of Cosmetic Science」オンライン版に掲載された。
実験では、ブチルメトキシ(BMBM:UVAフィルター)、オクチルメトキシ(OMC:UVBフィルター)、ベンゾフェノン-3(UVAおよびUVBフィルター)、サリチル酸オクチル(UVBフィルター)の4種類の吸着挙動とヘアキューティクルへの効果を検証した。各UVフィルターの吸着量はdepletion法で、光防護効果はタンパク質やトリプトファンなどから測定した。
その結果、UVフィルターの吸着は急速に発生し、約1時間後に平衡に達した。吸着の速度および量は濃度とともに増加し、フロイントリッヒの吸着モデルと一致していた。BMBMの吸着能力はほかのUVフィルターよりも高かった。UVBフィルターの効果は、UVAフィルターよりも優れていた。研究者らは、UVフィルターは、光損傷から毛髪を保護する上で効果があると結論している。
化粧品のみならずヘアスプレーや入浴剤、また衣料品や塗装材料などに利用されているUVフィルターには内分泌かく乱作用があるものも多く、現在その使用適応の検討が進められている。また、一部のUVフィルターは汚染物質として、湖沼などの自然界のほか、魚やヒトの母乳などからも検出されているという。基材に含まれている場合や、製品の品質保護の目的で使用されている場合は成分記載の義務がない場合がほとんどであるという。