美顔器でMTGがヤーマンを提訴

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2013.04.22

編集部

美顔器メーカーのMTGは、東証1部上場ヤーマンに対し、美顔器「プラチナトルネードEMS」と「プラチナホワイトトルネードローラーEMS」2機種の販売差し止めを4月18日、東京地方裁判所に起こした。中国からの模倣美容器流入で取締を強化している中、美顔器の大手企業が美顔器の模倣問題で訴訟を起こし法廷闘争に持ち込んだのは珍しいケース。

MTGが上場企業ヤーマン相手に起こした訴訟内容は「ヤーマン販売の美顔器2機種がMTG製プラチナ電子ローラーのデザイン意匠に類似している」として不正競争防止法に基づき東京地裁に仮処分命令の申立てを行ったもの。提訴したMTGは「これまで警告書で不正を正してきた。しかし、見解の相違で話がまとまらなかったことから不正競争防止法に基づき地裁に提訴した」という。これに対しヤーマンは「現時点で訴状は受け取っていない。訴状を見た上で対応を検討したい」としている。

美顔器の模倣問題は、中国などからコピー商品が国内に流入し、税関で差し止めを行うなど水際での取締を強化中。また、業界団体の日本ホームヘルス機器協会も不適切な事例が多いことから自主基準を策定して加盟企業にガイドラインの尊守を呼び掛けてきた。そうした中で今度、美顔器の販売差し止めを巡って法定闘争に発展したのは珍しいケース。

美顔器は、温冷熱、振動、電波、光などを利用して皮膚を洗浄し肌を整えるなどの美容目的で使用される。2011年度のフェイスケア市場規模は、出荷ベースで215万台と見込まれている。ここへきて美容意識の高まりからエステサロンや家庭向けホームエステの需要が伸びており年率2ケタ成長を辿っている。

MTGは、主力美顔器プラチナ電子ローラー「リファ」(商品名)を中心にシリーズ販売台数が累計で200万台に上る。一方、ヤーマンは、今年3月から「プラチナトルネードEMS」と「プラチナホワイトトルネードローラーEMS」2機種を市場に投入、TV通販などで販売を始めたばかり。今後、ヤーマンの対応や地裁が知的所有権を含めてどのような判断を示すか、注目される。

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