日光角化症に効果の光線力学的治療
2016.08.23
国際部
シミとして放置される例も多いという日光角化症。長期に日光(紫外線)を浴びてきた60歳以上の高齢者で多く、その症状は角質やかさぶたを伴う、赤味もしくは黄味を帯びたシミとして見られるという。今回、その日光角化症に効果があった光線力学的治療(PDT)の報告が8月12日、「British Journal of Dermatology」オンライン版に掲載された。
手の甲に発症した軽度~中等度の日光角化症(AK)患者37人を対象に、メチルアミノレブリン酸(MAL)を外用したインテンスパルスライト光線力学的治療(PDT)の効果を無作為化試験で検証。患者は6週間間隔で3回のPDT治療を受け、追跡期間は最終治療後10週間とした。治療後10週時の日光角化症完全消失率はMAL+PDT群54.6%、偽薬の塗布(プラセボ)+PDT群3.0%だった(P<0.0001)。
表皮下のコラーゲン層の厚みはMAL-IPL群で290.6%(±327.4%、P<0.001)、プラセボ-IPL群で215.5%(±215.3%、P<0.001)増加し、有意な群間差は見られなかった。斑状色素沈着および外観の評価は、プラセボ-IPL群に比べMAL-IPL群で有意に高かった。しわの大きさや肌荒れは両群で有意に減少していた。
日光角化症は人口10万人あたり100~120人と推定されており、高齢者に多いため、今後の増加が懸念されている。皮膚がんの早期病変と考えられており、シミと思いこんで放置されている場合も考えられるため適切な大切とされている。