市販薬のネット販売、成長戦略会議に諮る
2013.05.29
編集部
厚労省は、新ルールに基づく市販薬のネット解禁の基本方針をまとめ6月に開く政府の成長戦略会議に提出する。基本方針は、今年1月にネット販売の規制を無効と判決した最高裁の決定や現在、厚労省の市販薬ネット販売検討委員会でネット販売推進派と反対派の論点整理などを行った上でまとめ提出するもの。
厚労省の基本方針には、市販薬ネット販売のルールについて市販薬のリスクごとに分類されている1類(毛髪剤や一部の胃腸薬)と2類(風邪薬、鼻炎薬、漢方薬)の高リスク薬については、消費者の安全性を確保するため、薬剤師を配置して対面販売並みにネットやTV電話で症状を聞き相談に応じながら文書で説明、販売することを義務付ける。また、不正サイトで偽造薬の販売防止を図るため、ネット販売事業者の認証制導入と第三者による監視委員会を設けて不正薬販売を防止することなど新ルールによるネット販売解禁を示す内容が骨子となる見込み。
基本方針は、6月に開く政府の成長戦略会議に提出して検討され、閣議での最終決定を行う。消費者の安全性と不正サイトとの差別化を強く要望してきた公明党案が盛り込まれていることから最終的に閣議決定されるのは確実とみられる。
成長戦略会議と閣議決定を踏まえて厚労省は今後、薬事法の中にネット販売における薬剤師の対面販売に関する義務化と消費者の安全性確保、市販薬のネット販売認証制度の導入、監視体制の強化などを条文として盛り込む方向で検討しており、今年の秋にも施行する方針。
現在、ネット販売で薬を販売している薬局薬店数は、全国で150店舗にのぼり急激にその数は増える傾向にある。今度、市販薬のネット販売がルール化されたことで薬局・薬店とネット販売業者との激しい競争が展開されるのは必至となった。