上場企業によるエステティックサロン買収が活発化

最新商品

2016.12.16

編集部

上場企業によるエステティックサロンの買収が活発化している。

これまでエステティックサロンのM&Aと言えばは比較的小規模な案件で、同業者による店舗数拡大の意味合いが多く、大手エステサロンを対象とする事例は決して多くはなかった。しかし、ここにきて大手エステチェーンの買収が、しかも上場企業によって行われている。

これまでエステティックサロンの経営課題として、脱毛事業の医師法抵触に関する懸念があった。過去エステティックサロンで唯一上場した「ラ・パルレ」も上場前に脱毛事業を分離、事実上解体した上で上場を果たしている。

しかし、昨年の株式会社RVH(東京都港区)における「ミュゼプラチナム」買収は事実上、上場企業による脱毛事業の解禁を果たしたとみる業界関係者は多い。

また、これまでエステティックサービスに対して目を向けていなかった投資家にも影響を与えているようだ。

今年の11月には、株式会社ソフトフロントホールディングス(東京都港区)が、エステティックサロン「ベル ルミエール」を展開する有限会社グッドスタイルカンパニー(静岡県掛川市)を買収。

そして12月には、株式会社三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区)によるエステティックサロン「ソシエ」を運営する株式会社ソシエ・ワールド(東京都渋谷区)の持株会社であるSWPホールディングス株式会社(東京都千代田区)の買収発表が続いた。

これらの買収に共通するのは、買収したエステサロンのIPOを目指すという点だ。そして、「ソシエ」「ベル ルミエール」のM&Aに至っては”事業投資”である点も注目される。過去のエステサロン買収劇の多くは、運営母体が事実上破たんするなどしたため、それを救済する意味合いが強かった。

では、上場企業による買収をエステ業界関係者はどのようにみているのか。

おそらく、もっとも多い声は、上場企業の買収によりコンプライアンスの強化が、図られる点に対して期待する声ではないだろうか。

エステ業界が抱える課題は少なくはなく、それらの問題の多くは社内のコンプライアンス強化によって対策が可能であり、同時に業界の浄化に寄与するとみる関係者は多い。

薬機法、景表法、労基法など過去1年でみてもエステ関係企業が摘発、あるいは指導を受けるなどした事例はあり、このような環境の中で、今後買収元企業によるサロン経営手腕が問われるだろう。

また、業界関係者のなかでたえないのが、「エステティックTBC」を展開するTBC グループ株式会社(東京都新宿区)の売却だ。国内の異業種、同業者はもとより中国資本への売却など、あくまで噂の域ではあるが取りざたされている。他にも、一部関係者の間では、某大手エステサロンの女性専門ブランドの売却話も出ているという。

引き続き、エステ業界のM&A動向に注目がされる。

#

↑