運動で老化を遅らせられる可能性
2017.01.11
国際部
寿命と老化に関わりのあるテロメアの長さが、定期的な運動で保たれるかもしれないという論文が、「Health Promot Perspect」1月号に掲載された。染色体の末端にあるテロメアの長さは細胞の寿命を示すとされている。
今回の研究は、アメリカのミシシッピ大学健康・運動科学およびレクリエーションマネジメント学科のMeghan K. Edwards氏らによるもの。1999~2002年の国民健康栄養調査調査(NHANES)のデータから、20歳以上の1868人を対象にアンケート調査を実施した。内容は、座っている時間の長さに関するもの、中程度から激しい負担の運動をおこなっているかに関するもの、トレッドミル(ランニングマシン)を使った心肺機能検査だった。評価は採取した血液サンプルから定量的ポリメラーゼ連鎖反応を行うことで白血球テロメア長(LTL)を評価した。
LTLの中央値より高いか低いかで2グループに分けた。中程度以上の運動をしている人はテロメアの長さ上位1/3のグループに入る確率が高かった。多項ロジスティック回帰分析の結果、アンケート調査および検査でテロメア長との間に独立した関係が見られたのは中程度以上の運動だけだった。