運動だけでは痩せられない

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2017.02.9

国際部

運動だけでは体重増加の抑制に不十分という研究報告が1月19日、オンラインジャーナル「PeerJ」に掲載された。運動だけで減量ができるかどうかというのは、いまだに結論が出ていない問題である。

今回、米ロヨラ大学シカゴ校医学部の研究では、ガーナ、南アフリカ、ジャマイカ、セイシェル、アメリカの若年成人における3年間の前向きコホート研究で運動と体重変化の関係を評価した。対象は男女合計1944人の3年間の調査を実施した。身体測定(体重、BMI)、客観的運動量(加速度計を使用した7日間)の測定を含むベースラインデータと少なくとも1つのフォローアップ検査を受けた。 運動は中等度もしくは激しい運動か、および毎日の座っている時間を調査した。

調査開始時、最も体重が少なかったのはガーナと南アフリカの男性だった(それぞれ63.4±9.5、64.9±11.8kg)、アメリカの男女が最も多かった(それぞれ93.6±25.9、91.7±23.4kg)。正常体重の範囲に入っていたのは、ガーナの男性では85%、米国の男性では29%、ガーナの女性では52%、米国の女性では15%だった。 2年間のフォローアップ期間中、年間体重変化が最も少なかったのはアメリカの男性とジャマイカの女性だった(それぞれ0.1 ± 3.3 kg/yr、−0.03 ± 3.0 kg/yr)。年平均体重増加は、ベースライン時に肥満の人よりも正常体重の人で大きい傾向があった。ベースラインの激しい運動および座った時間は体重増加と関連していなかった。複数の線形回帰解析法を用いて、ベースライン体重、年齢および性別のみが体重増加と有意に関連していることが分かった。

これらの結果から、運動だけで体重増加を抑制できるかは明らかではなかった。データからは、食事などのその他の環境要因が体重増加により大きな影響を与えていることが示唆された。

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