資生堂、有効成分レチノールの「しわ改善効能効果」承認を取得
2017.03.6
編集部
株式会社資生堂(東京都中央区)は有効成分レチノールによる「しわを改善する」効能効果の承認を厚生労働省から受けた。
レチノールを有効成分とした新しい製品は、9週間の使用でシワグレード4レベルの深いしわを改善する有効性が認められた。
日本香粧品学会が策定した「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」にしたがい、目尻に浅いしわからやや深いしわが認められる健常な日本人女性(年齢37歳~54歳、平均年齢46歳)で有効性試験を実施。
「有効成分レチノールを配合した本製品」と「レチノール無配合品」を9週間使用してもらい、しわ改善効果を皮膚科専門医による判定および機器による解析を行った。
その結果、同製品の9週間使用後には目尻の線状の深いしわ、目周りのちりめん状のしわが顕著に改善した。
機器による解析から同製品は無配合品に比べてしわが減少しており、しわ部分の3次元画像からも顕著な減少が認められた。
また、実効感についてもアンケートで検証した結果、同製品にしわの改善を実感することが認められた。
レチノールはこれまで肌あれの有効成分として医薬部外品に配合してきたが、熱、光、酸素に対して弱く、非常に不安定な成分。
同社では長年の研究で培った製剤化技術を応用して、レチノールを分解させることなく安定的に配合し、製造することに成功し、1993年に発売したほか、レチノール製剤だけに使用する独自の容器も開発している。
このような製剤化技術、容器開発により安定性を担保し、レチノールを医薬部外品・有効成分として配合することが国内で唯一認められている。
レチノールは培養したヒトの表皮角化細胞でヒアルロン酸の産生を顕著に促進する。ヒアルロン酸は水分保持や皮膚の弾力性の維持などに関与し、また加齢とともに減少することが知られている重要な成分。
ヒアルロン酸の産生を増加させ皮膚に柔軟性を与えて、しわを改善する。
同社は約30年間にわたるレチノール研究の基盤技術のもと、日本で唯一、医薬部外品の有効成分レチノールを配合した製品を製造販売できるメーカーとして今後更なるアンチエイジング(抗老化)領域の研究を進め、スキンケア製品に応用していく。
- 参考リンク
- 資生堂グループ企業情報サイト