注目の果実サジーの肥満抑制効果
2017.04.4
国際部
グミ科ヒッポファエ属(Hippophae)の種子から高脂肪食による肥満に効果がある成分が確認されたことが3月1日、「Pharmaceutical Biology」オンライン版に掲載された。
上海の華東師範大学生命科学部Yang X氏らによる研究で対象となったのは、学術名Hippophae rhamnoides、英語ではシーバックソーン(Sea-buckthorn)、日本ではそのままシーバックソーン、スナジグミ(砂地茱萸)またはサジー(沙棘)などと呼ばれる落葉低木樹。欧州から中国にかけて広範囲に自生し、果実はジャムなどの加工食品として利用されてきた。ビタミンCや不飽和脂肪酸を含むことから、近年注目が集まっている。
研究は高脂肪食誘発性肥満マウスモデルを用いて、Hippophae rhamnoides果実からのフラボノイド強化抽出物に体重減少、脂質代謝障害調節などの効果があるかを評価した。マウスにはあらかじめ8週間の高脂肪食を与え肥満を誘発した。その後、ロシグリタゾン(2mg / kg)、フラボノイド強化抽出物低用量(100mg / kg)、高用量(300mg / kg)、ビークル(溶媒)の4グループに分け9週間の試験を実施した。
その結果、100および300mg / kgのフラボノイド強化抽出物グループは体重増加をそれぞれ33.06%、43.51%減少させた。さらに、血清および肝臓中のトリグリセリド濃度の低減、PPARαmRNA発現は、肝臓および脂肪組織におけるPPARαmRNA発現のアップレギュレーションも確認された。フラボノイド強化抽出物は、肝臓および脂肪組織の両方においてPPARγタンパク質レベルを下方制御し、脂肪組織へのマクロファージ浸潤を阻害し、脂肪組織におけるTNFαmRNA発現をダウンレギュレートした。