食物繊維のダイエット効果は腸内細菌による
2017.09.21
国際部
食物繊維が豊富な食事を摂っていても体重が減らない理由を探った研究が9月12日、大手学術出版社Springerから紹介された。研究の詳細は同社発行の「International Journal of Obesity」オンラインに掲載されている。
食物繊維豊富で減量につながる健康食として最近注目を浴びている「ニューノルディックダイエット(New Nordic Diet)」。デンマーク、コペンハーゲン大学の栄養・運動およびスポーツ学科Mads Hjorth氏、Arne Astrup氏らによる今回の研究は、このニューノルディックダイエットは、すべての人の効果があるわけではないという可能性が示され、その理由に腸内細菌の種類が挙げられた。
過体重の62人が26週間の試験に参加した。参加者は「ニューノルディックダイエット」または「平均的なデンマーク人の食事」のいずれかに無作為に割り当てられた。また便サンプルから評価した腸内細菌の種類によって、Prevotella / Bacteroides比率が高いグループと低いグループに分類した。試験期間終了後は、参加者全員がニューノルディックダイエットを1年間続けた。
ニューノルディックダイエットの31人は平均3.5kgの減量、デンマーク食の23人は平均1.7kgの減量に成功した。ニューノルディックダイエットは、Prevotella / Bacteroides比率が高い人で有効だった。デンマーク食と比較して、ニューノルディックダイエットでは体脂肪が3.15kg減少、胴囲も減少し、体重の減少は1年後も維持されていた。Prevotella / Bacteroides比率が低い人では、食生活のタイプは体重減少に関係しなかった。