食生活の改善、遺伝的肥満リスクを抑制
2018.01.15
国際部
米国の医療従事者を対象とした研究Nurses’ Health Studyから女性8828人、Health Professionals Follow-up Studyから男性5218人のコホート研究を実施。BMIに関連する77の遺伝子変異に基づいて肥満リスクをスコア化し、体重指数および体重の変化を4年ごとに計算、20年間フォローアップした。研究の詳細は1月10日、「BMJ」オンラインに掲載された。
食生活のパターンは、代替健康食摂取指数2010(AHEI-2010)、高血圧抑制食事療法(DASH)、代替地中海食(AMED)の3つの食事品質スコアを用いて評価した。20年間のフォローアップ後、AHEI-2010およびDASHの順守を改善することは、BMIおよび体重の減少と関連しており、その効果は、肥満の遺伝的リスクが高い人々でむしろ高かった。AMEDでは明確な相互作用パターンは見出されなかった。
今回の研究は観察研究であるため、原因と結果について確固たる結論を導くことはできないこと、また今回評価していない運動の影響などのいくつかの制限があるため、この結果が一般的には適用されない可能性がある。それを踏まえたうえで著者らは「特に肥満の遺伝的リスクを持つ人にとって健康的な食事の遵守は重要であり、肥満の遺伝的要因は体重管理の障害となるものではない」としている。