美容整形手術に合併症を増やす、危険なサプリメントとは
2013.07.8
編集部
サプリメントを利用している人は美容整形手術で合併症を増加させる可能性があるという研究結果が米国形成外科学会の学会誌「Plastic and Reconstructive Surgery」7月号に発表された。
ケース・ウェスタン・リザーブ大学のBahman Guyuron博士らによるこの研究では、フェイスリフトや降鼻術などの美容整形を受けた患者200人を対象にサプリメントや健康食品の利用状況を調査した。患者の80%は女性、平均年齢は45歳だった。患者の49%が1種類以上のサプリメントや健康食品を利用し、平均利用数は2.8種類だった。利用者は女性が多く、高齢者ほど利用率が高かった。ビルベリー、魚油、アマニ油、ニンニク、メチルサルフォニルメタン(MSM)、セレン、ビタミンEなどの出血リスクの危険性が知られているサプリメントの利用は35人で見られた。
研究者らは手術の2-3週間前にはこれらのサプリメントの服用を中止するよう勧め、中止しなかった場合には17.5%の患者で出血リスクがあると予測している。さらに、エキナセア、エフェドラ(麻黄)、銀杏、人参、セントジョーンズワートなどの人気のサプリメントでも外科手術時の合併症につながる可能性があることを指摘した。
米国ではサプリメントが幅広い年齢で利用されているが、規制がないために安全性と有効性に関するデータは不足しているという。研究者らは、患者の安全の確保のために、外科医が手術前に患者のサプリメント利用の有無を確認すべきとしている。
平成24年の消費者委員会の調査では、日本におけるサプリメントの利用は消費者の約6割。4人に1人は何らかのサプリメントを毎日利用しているという。50代以上の約3割が毎日利用、男女別では女性が63%、男性が54%で、女性のほうが高いという同様の結果が出ている。日本でも、美容外科手術とサプリメントの調査が必要となるかもしれない。