赤澤准教授「毛細血管のスムーズな流れが肌をきれいにする」
2018.04.6
編集部
金沢医科大学 総合内科 准教授の赤澤純代氏は5日、都内で開催された『マキアレイベル』の新商品発表会において、「血流美人のすすめ」と題して講演し、「毛細血管のスムーズな流れを作ることで肌がきれいになる」と健康な毛細血管を維持することの重要性について強調した。
血流の悪い状態を、中医学では「お血」と呼ばれ、具体的な症状として「クマができやすい」「顔色が悪い」「爪の色が悪い」「肌が乾燥する」「月経痛がひどい」「青アザがなかなか治らない」などを挙げた。「お血がひどくなると、毛細血管が機能しなくなる」(赤澤氏)だけでなく、臓器機能の低下も招くという。
見た目の肌状態は「氷山の一角にすぎない。その下(体の内部)には、日ごろの生活習慣で積み重ねられてきた深い問題が隠れている」(赤澤氏)と警告。例えば、たばこを吸い続けることで血管が収縮して血流が悪化してしわの原因となる“スモーカーズフェイス”を例に挙げ、「何を選択するかは自分次第」(同氏)といい、健康で美しくあるための正しい生活習慣を選択することの大切さに言及した。
現在、毛細血管に対する研究は進んでおり、毛細血管を可視化する技術がある。例えば、指先のダーモスコピー検査により、血管の状態を見て確認することができることを紹介。このほか、血流の状態をセルフチェックする方法として、(中医学の診断方法である)舌診をはじめ、目のクマ、爪の状態を見ることを挙げた。
毛細血管は45歳から衰え始めるとされる。この加齢に加えて、各種疾病などにより血管・リンパ管の構造が脆くなると、血液やリンパ液などの体液が漏れやすくなる。つまり、血管内皮細胞と壁細胞の結びつきがゆるむことで、この漏れが発生し、むくみなどの原因になっている。
そこで、内皮細胞に存在する酵素の一つであるレセプター型チロシンキナーゼ、Tie2(タイツー)を活性化することで、内皮細胞と壁細胞の結びつき、および内皮細胞同士の接着が誘導され、安定な構造の毛細血管が形成される。「漏れのない安定した毛細血管を作ることが、美肌と生活習慣病予防となる」(赤澤氏)と強調した。
- 参考リンク
- 赤澤純代氏のプロフィール