青魚のオメガ3脂肪酸サプリ、ドライアイに効果見られず
2018.04.19
国際部
ドライアイ治療にオメガ3系脂肪酸は効果が見られなかったという研究論文が4月13日、「New England Journal of Medicine」オンラインに掲載された。現在、臨床医の多くが、ドライアイによる目の不快感を軽減するためにオメガ3脂肪酸サプリメントの使用を推奨しているという。
今回は、中等度〜重度のドライアイ患者535人を、3000mgの魚由来n-3エイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸を摂取する(活性サプリメント群)と、偽薬としてオリーブオイルを摂取する(プラセボ群)の2グループに無作為に分けて12カ月間の試験を実施した。主要評価は、眼球表面疾患指数(OSDI;スコア0〜100、スコアが高いほど重症)の平均変化。副次評価は、結膜染色スコア(0〜6の範囲)および角膜染色スコア(0〜15の範囲)涙液分裂時間(涙液膜の瞬きと隙間との間の秒数)およびシルマー試験(下まぶたに置かれた紙片の濡れの長さ)の結果とした。
その結果、OSDIスコアの平均変化は、活性サプリメント群とプラセボ群で有意差はなかった。結膜染色スコア、角膜染色スコアのベースラインからの有意な変化は認められなかった。涙液分裂時間およびシルマー試験の結果も両群で同等、有害事象の発生率も同等だった。オメガ3脂肪酸の12カ月摂取には、ドライアイ改善効果は見られないと結論された。