米化粧品業界の市場予測-プロフェッショナルケア部門でM&A活発化
2013.07.11
編集部
米リサーチ会社Kline(本社:ニュージャージ州)はこのほど、同社の最新の調査結果「Cosmetics and Toiletries USA 」を発表、「アメリカ国内の化粧品・トイレタリー業界は好調に市場を拡大しており、プロフェッショナルケア部門ではM&Aがより一層活発化するだろう」と予測した。
米国の同市場はおおよそ600億ドル規模とも言われる。2012年度は前年比3.4%の成長率を達成、最大手のプロクター・アンド・ギャンブル・カンパニー(P&G)、エスティ・ローダ・カンパニーズ、ロレアルなどが安定した成長率で市場を牽引した。ドクターコスメ、オーガニック化粧品などニッチ市場に特化した中小規模の化粧品会社は新商品開発で消費者の購買意欲を高め、その存在力を強固にしていっている。
特に成長が著しかった商品分野は、ネイル商品で17.4%の成長率だった。これは、消費者の需要が大きいことに合わせ、生産者側が常に革新的な新商品を開発し市場投入を続けていることが重要な要因としている。男性用化粧品の売り上げも好調で、今後、更なる成長が期待される。エスティ・ローダは男性専用のブランド「ラボ シリーズ」を開発し、男性用化粧品の売り上げを二桁も伸ばした。男性の肌特有のニーズやライフスタイルに合わせて開発された商品が好評だという。
M&Aに関して見てみれば、ニッチ市場の開拓などに成功した中小企業は、大企業にとってはとても魅力的である。アメリカ市場を問わず、世界市場で大が小を買収していく構図が広がっていくと予測できるだろう。例えば、ロレアル最高経営責任者のJean-Paul Agon氏は、ケニアのInterconsumer Products Limited社(本社:ケニア)の買収を皮切りに、企業買収を加速していくと強気の姿勢を表明している。
Kline社が今回調査した中では成長企業が150社程存在するという。ニューヨーク市を拠点にして男性用スキンケアの開発をしているAnthony Brands社や世界42カ国でヘアケア商品、パーソナルケア商品などの販売をしているVogue International社(本社:フロリダ州)はそれらの中でも最優良株に挙げており、今後のM&Aの動向が見逃せないとしている。
News Resources
M&A activity set to rise in US professional market掲載記事のリンク
Positive Growth for US Cosmetics and Toiletries Market掲載ブログのリンク
Kline米コンサルティング・リサーチ会社のリンク
http://www.klinegroup.com/reports/cia1.asp
US Cosmetic & Toiletry Chemicals Marketのリンク
http://www.prnewswire.com/news-releases/us-cosmetic–toiletry-chemicals-market-150013675.html