【連載】大手化粧品会社の研究㊶アリミノの会社研究 ~美容室・美容師のコアサービスを再構築~(下)

2018.08.3

特集

編集部

アリミノは、引き続き美容室と美容師の支援に力を入れる。同社は、2018年度の経営方針として、収益と事業の要である美容サロンについて美容本来のカット・カラー・パーマ技術・メニューを深め、その価値を高めるコアサービスの再構築と人材教育に力を入れて取り組むことになった。

特に、営業戦略として技術メニューをより価値あるものにするために
①ヘアカラー②パーマ③メンズブランドの3つの切り口から美容室に対して提案営業するなど営業力の強化を図る。
ヘアカラーについては、安心・安全なヘアカラーの提案を行うとともに「ゼロテクニック」と名付けたアンバサダー(代表)認定プログラムを推進し、技術認定証を発行する。
パーマについては、サロンスタッフの階層別にウエーブやストレートパーマ、ホットパーマなど各種トレーニングプログラムを用意しパーマ技術の向上を図る。
メンズブランドの強化として男性客の集客が課題となっており、集客と客単価アップを図る。

美容室や美容師等の人材教育については
①講師によるトレーニングプログラムの実践②顧客への販促展開③チャレンジできる場の提供などに取り組む。
具体的な取り組みとして
①の講師によるトレーニングプログラムは、皮膚科、生体、エステ、ホスピタリティ、コミュニケーションなど専門家による講習カリキュラムを編成し教育する。
②の顧客へのアプローチに重きを置いた販促展開についての取り組みは、顧客にアプローチできるHOW TO動画の配信強化、インスタグラムなどによる情報発信、サロン集客サイトのタイアッププロモーションなどを実施する。
③のチャレンジする場の提供は、デザイナーズデザイン、フォトプレゼンテーションなどの場に出て技術の研鑽を図る。
このほか「ジオマーケティング」によるエリア顧客診断を活用したサロンの顧客獲得や売上アップのためのアクションを起こして取り組む。

一方、新製品投入については、4月にストレートパーマブランド「QUOLINE」がホット系カールにも対応できるようリニューアル化した。6月には、新たなビューティ価値創造を拡げる新製品として「ARIMINO men」からヘアケア&インナーケア製品4アイテム(全6品)を発売した。
こうした施策によって国内でのアリミノブランドの価値をさらに高め、国内サロン流通市場におけるナンバーワンへの足固めをさらに強固なものとする方針。

一方、東南アジアにシフトした海外戦略にも注力していく。しかし、同社は「国内で販売している商品をそのまま海外に移転すれば売れるか、というと、それほど簡単なものではない」と指摘する。
今後、海外の現地に合ったニーズに即した商品をいかに、タイムリーに供給し収益を上げていくか、ビジネス面での具体的な成果が期待される。

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