【連載】大手化粧品会社の研究(75)ルバンシュの会社研究 ~4年に1回の選挙で社長を選ぶ社長選挙制度導入~(下)

2019.02.5

特集

編集部

ルバンシュは、経営者を全社員の投票で決める「社長選挙制度」を導入するなどユニークな活動を行っている。
中小企業の多くが後継者難で事業承継が難しい中にあって、オリンピックならぬ4年に1回、全社員の投票で社長を決めるユニークな方式は、事業承継対策の一環としても注目される。
社長選挙の仕方は、社長が社員の前で投票箱を開け、名前が書かれた投票用紙を各自一枚ずつ取っていく。社員は、手にした投票用紙を広げ、書かれてある名前の確認をする。現社長以外の名前が書かれている場合は、優先的に次代の経営者になる権利を有する。逆に、誰からも反応がなく手も上げない場合は、現社長の再選となる

同制度は、現社長の発案で2013年からスタート。これまで2回の投票で社長を決めた。現社長の任期は、2021年まで。
同社が社長選挙制度を導入したのは、在籍する18名の社員の人間力を大切にしながら、社長を選ぶ権利と社長になれる権利を与えることでやる気を起こすこと。と同時に、新しい時代の理想の上司「イクボス」を育成することで時代の経営者に引き継ぐ事業承継対策に繋げること。また、社長自らが襟を正し、社員の模範となる人間性や言動をとっていくことで、全社員が一丸となって社業の発展に取り組むのが狙い。

イクボスは、共働きと核家族化が進み中で夫婦ともに仕事と家庭を両立し子育てを協力して行うことが必要になっている。また、介護と仕事の両立や病気の治療と仕事の絵擁立などワークライフバランスの重要度が増している。
そんな役割を担う管理職をイクボイスと呼ぶ。部下のワークライフバランスに配慮しながら最適なマネジメントができる人材が必要不可欠になっている。
同社は、2014年に経営学会の顕彰制度「日本で一番大切にしたい会社」の審査員特別賞を受賞するなど人を大切にする企業として栄誉に浴している。

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