【連載】この中小化粧品会社に注目⑮グリ―ンサイエンスマテリアル(上)~北陸先端大と多糖類サクロンの共同研究~

2020.10.7

特集

編集部

リ―ンサイエンスマテリアル株式会社(熊本県熊本市、社長:金子慎一郎氏)は、2007年4月に環境材料を利用した人と地球に優しい製品を社会に送り出す事で循環型社会の実現を目指す目的で設立(2007年4月)した大学発環境材料ベンチャー。
同年10月には、北陸先端科学技術大学院大学のサイエンス研究所と共同研究契約を結び、同大学の研究グループらが発見したスイゼンジノリから抽出した新物質の高分子多糖類「サクラン」(写真)を利用した化粧品への応用開発。また、地元企業と連携体(農商工連携)を組んでスイゼンジノリの養殖、サクランの生産、化粧品販売などの事業化に拍車をかけて取り組んでいる。

スイゼンジノリは、九州・福岡や熊本など限定された地域の清流や地下水のみで育つ生物・食用藻(ラン藻)。同大学の研究グループらは、日本固有の食用藍藻であり、淡水性の光合成微生物スイゼンジノリ(水前寺海苔)が極めて大量の寒天状物質を細胞外マトリックスに分泌することに注目し、スイゼンジノリからこの寒天状物質「サクラン」を抽出することに成功した。

サクランの抽出法は
①スイゼンジノリに含まれる色素と水をアルコールで除去
②水酸化ナトリウム水溶液でサクランの抽出を行う
③乾燥させた繊維状のサクランの重量を量りサクラン減益を製造する
④得られたサクランを乾燥させることで繊維状のサクランに仕上げる
⑤抽出したサクランをアルコールに流し込み寒天状物質サクランを抽出する。

環境材料ベンチャーとしてサクランの材料化技術、応用開発等に関心を持っていた同社は、同大学と共同研究契約を結び共同研究の中から
①サクランの特性として多糖類の中でサクランは、マイクロサイズの巨大分子で、ヒアルロン酸の14.5倍の大きさがあり、肌の上に乗る面積が大きい多糖類であること
②この巨大分子により1gの重さで約6リットル近い純水を抱え込む能力=保水力を持ち塩水では、ヒアルロン酸の約10倍近い保水能力を発揮するなど化粧品の新素材として優れていることを見出した
③ドライスキン等の効果や抗炎症効果など化粧品の新素材として優れていることを実証した。

サクランは現在、化粧品の保湿剤として欠かせないヒアルロン酸や健康食品に用いられるコンドロイチン硫酸などと同じ「多糖類」の仲間。
サクランの大きな特徴は、驚異の保水力にある。化粧品の保湿剤として一般的なヒアルロン酸と比較すると純水で、約6倍、塩水で約10倍の保水性が試験結果から得られている。
また、サクランは、非常に高分子(分子サイズはマイクロサイズ)であるため、結果としてナノ厚さの緻密な皮膚形成膜を形成する。

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