【連載】この中小化粧品会社に注目(51)桜サイエンスビューティー(上)~アロマ抽出、除法技術等に強み~

2021.04.12

特集

編集部

桜サイエンスビューティー株式会社(東京都千代田区)は、機能性化粧品素材及び化粧品開発等の事業を手掛ける技術開発型ベンチャー。
同社は、SHIODAライフサイエンス株式会社(東京都港区)の元子会社。2016年にSHIODAライフサイエンスの副社長だった川人紫氏(女性)がMBO(Management Buy Out=経営陣による企業買収)で桜サイエンスビューティーの株式を取得し、経営を承継して代表に就いた。

これまで同社が開発した主な商品は、香り成分の抽出として日本を象徴する花「八重サクラ」のエキスをそのままビン詰めにした「桜ファウンテドロップス」を商品化した。サクラエキス特有の甘い香りが副交感神経に働きかけ精神をリラックスさせる効果を狙って開発したもの。「1日に2、3滴、水やお茶などに滴下して飲むと頭痛を軽くする効果がある」という。

植物の香りをアロマセラピー(芳香療法)として健康維持に役立てる目的で「アロマデマスク」を開発した。植物の香りを凝縮したエッセンシャルオイル(精油)をシールに含侵させてマスクに貼ったもの。現在、ヘルスケア事業者などにOEM受託生産を中心に事業を展開している。

同社のこうした花木などから抽出したエキスは、一般的な抽出技術として浸透している低温真空抽出法を使って行っている同技術は、本来の自然な香りと成分を損ねることなく原料に含まれるほぼ100%のアロマオイル、細胞水(フローラルウオーター)を抽出できる。

同社では、こうした「抽出技術をはじめ自然の香りを空間に効率よく徐放する「除法技術」及び「機能性香料を化粧品に応用する応用技術」の2つの技術開発を基本にして技術開発に取り組んでいる。

同社がこれまで開発した中で最も注目される商品として芳香成分を空間に除去する除法技術の具体的な成果として比叡山の修験道に自生する黒文字から抽出した香り(芳香水)とこの香りを楽しむため、水素を組み合わせて抗ストレス、不眠改善などの相乗効果を発揮するアロマディフューザー(写真)がある。アロマ抽出、除法技術を融合して開発したもので、同社の強みを発揮した象徴的な商品といえる。

 

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