【連載】この中小化粧品会社に注目(54)ラビプレ(下)~知的財産保護、自社コスメ商標権取得~

2021.04.27

特集

編集部

ラビプレは、りんご由来「APセラミド」や美容成分のプロテオグリカン、津軽甘草から抽出したグリチルリチン酸を配合した化粧品ブランド「ラヴィプレシューズ」を知的財産権として保護するため商標登録を行った。

特許庁所管の独立行政法人 工業所有権情報・研修館が47都道府県に開設している「知財総合支援センター」に相談した。
同社は支援センターを訪れて、青森県特産品のりんごや世界自然遺産・白神山地の産物に含まれる有効成分を商品に活かせるよう弘前大学と共同研究開発に取り組んでいること及び商品製造技術やネーミングの権利化等について相談した。
その中で「研究・出願」、「審査請求」等の各段階で応募し、段階に応じて支援が受けられる特許庁の補助事業「情報分析活用支援事業」制度あることを知り、公募申請した結果、採択された。

採択を受けて同社は、同センターを通じてラヴィプレシューズの商標登録について先行商標調査や商標登録出願の方法についてアドバイスを受けるなどして商標登録を実現した。
同社では、商標権登録を機会に商品開発やブランド展開を目的にしてそれぞれの分野の専門家(弁理士)を利用するようになった。

こうした政府の知財権保護に関わる支援制度を知ったことや支援センターに相談することで、中小企業が知財を活用するための具体的な対策ができた。
現在では、商品開発やブランド構築の段階に合わせて支援センターに相談することを慣習化するようになった。特に、知的財産権の保護が経営の中でいかに重要かということを認識するようになったことに加えて「社内の知財活動が充実化することで、商品開発や営業活動に対して自信が持てるようになったことが大きい」としている。

同社は、2009年に法人を設立して以来、2021年現在で創業12年を迎える。社員は、約10人程度と見込まれている。今後、どのような地域ブランドの新商品を開発していくのか、コロナ禍で国内、海外での拡販をいかに推進するのか、中期の開発、製造、販売に関わる総合的な戦略・戦術を描き成長の軌跡を見せて欲しい。それが同社を支持するステークホルダーの要望である。

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