化粧品OEM・ODM各社の「ユーザーニーズに対応するわが社の事業展開」【1】 ODMメーカーへ転換図る、技術開発・販売支援強化~シーエスラボ(上)
2014.07.9
編集部
法人設立(2004年7月)以来、今年7月で会社設立満10年を迎えた株式会社シーエスラボ(東京都豊島区、林雅俊社長=写真)は、館林工場の生産管理システム構築に続きクラウド型コンピュータによる営業管理システムの導入や化粧品の有効性試験によるユーザーへのエビデンス提供、中国での事業展開の強化に打って出るなどODMメーカーへの転換を図るイノベーション経営に一段と磨きをかける。
国際品質認証「IS09001」を取得し化粧品、医薬部外品の生産を行なう群馬・館林工場に導入した「生産管理システム」と「秤量システム」は、2009年にシステムを導入し、2012年に本格稼働した。現在では、在庫データや原料調達、ロットなどの一元管理を実現。生産の効率化と品質保証を両立し、生産計画に係る時間を従来の約3分の1に短縮するなど企画・設計・デザインから製造までのODM体制を整えた。今後、3年以内にも営業活動とのシステム連携を図ってクラウド型管理システムに発展させる計画。
こうした少量・多品種・短納期に応える生産体制の確立に加えてODMメーカーへ転換を図っていくためには「ユーザーの売れる化粧品を生み出す企画開発力が当社に求められている」(林社長)として独自の技術を駆使して開発した化粧品を主力ユーザーの化粧品メーカーなどに対し、訴求力の向上に打って出ている。
同社がこれまで開発した主な化粧品は「クリーミィローション」(商品名=写真・立て看板と一緒に写す)をはじめ、ノンシリコンシャンプー、天燃由来系スキンケアなど約10種類を数える。
販促・展示会用を目的に開発した「クリーミィローション」は、得意とする微粒化技術(ナノ化技術)を使って水分と油分を均一に分散させることを実現し、高保湿、潤い感のある商品化に繋げた。また、水分と油分の分離を起こしやすく乳化作用で扱いが難しかったリン脂質の一種「レシチン」をナノ化技術で安定的に乳化することに成功、「Lクリーミィローション」として商品化を図った。
約10種類にのぼる一連の化粧機能性を持つ商品開発は、研究室の技術陣を結集して開花させたもので、技術力の高いODMメーカーとして十分、力量を発揮できることを物語る。
ここへきてOEM受託先ユーザーに対して販売支援に乗り出した。対ユーザーに対して売れる商品を具現化するための支援。現在、通販やマーケティング力を持つ事業者2~3社と提携して販路、取引先開拓などの支援に乗り出している。
「対ユーザーに対する販売支援は、ごく少数の企業に限定して行なっている。企画開発から製造、販売支援までワンストップサービスを実現することが目的」(林社長)。今後、販売支援の構築や顧客の囲い込み、新規顧客の獲得など具体的な戦略が待たれる。
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