化粧品OEM・ODM各社の「ユーザーニーズに対応するわが社の事業展開」【9】 使い手・伝える人を強化し普及図る~竹田ブラシ製作所(下)

2014.08.8

特集

編集部

なでしこジャパン国民栄誉賞の副賞(2011年)や第5回モノ作り日本大賞優秀賞(2013年)受賞などに見られる竹田ブラシ製作所が生み出した高級化粧ブラシ「タケダブラシ」は、現在、常設店舗「新宿タカシマヤ」での直接販売や一部の化粧ブラシを取り扱う大手百貨店、匠の技を展示・即売する百貨店主催の職人展、通信販売など複数のチャネルで販売している。

竹田ブラシ製作所_イベント新宿タカシマヤに開設(2003年)した常設店舗では、全ラインナップの化粧ブラシを展示・販売。今では、口コミが広がり来客数も増えている。東京・銀座和光と大阪・梅田大丸などでも一部の化粧ブラシを取り扱っている。また、期間限定ショップと位置付ける「職人展」や「イベント」(写真)に出展・販売しているほか個人のショップ経営者や美容サロン、美容スクール主宰者、宿泊施設でも販売するなどすそ野が広がってきた。

竹田ブラシ製作所同社は、一般消費者との対面販売に主眼を置いているのも特徴。独立して活動するメイクアップアーティストと直接契約し、研修を踏まえて売場に常駐させ、社員とともに化粧品を持参した顧客に対し化粧ブラシの選び方や上手な使い方などを実演しながらアドバイス(写真)している。「コンサルティング販売スタイルでつかんだ顧客の要望は、その後の製品の開発や改良へ活かされている。また、メイクアップアーティストの口コミで、当社の知名度が広がっていることも大きい」(竹田社長)という。

現在の総売上高に占める販売チャネル別売上比率は、常設店舗とデパートでの催事及び通信販売が全体の50%前後、通販カタログなどの企画会社を通じたオリジナルブランド代行販売が約30%前後となっている。また、OEM受注による売上比率は、約20%前後を占める。

今後の販売展開について竹田社長は「ごく一部の限られたチャンネルで販売を行うコンセプトが明確な企業などと手を組みたい。また、卸販売については、当社のブランド製品を販売する意欲の強い企業を歓迎したい。オリジナル簡易カタログの製造・画像の提供などを含めて出来る限りの協力はしたい」とタケダブラシ販売の協力者に賭ける意気込みを示す。

同時に、竹田社長は「販売員の育成を短期間に簡単に行えるものではない。早急にショップを増やし拡大するという方向ではなくあくまで、使い方の教授・伝搬など普及をメインに据えながら使い、伝える人を強化することが重要。要は、当社製品の品質を理解し、伝える事ができる技術・知識を有するプロフェッショナルな人に売るということであり、新しい美に対する道具としての地位をさらに確立したい」と質実剛健の体。

ここへきて海外の著名ブランド会社から商談が舞い込むなど海外での注目度も高まってきた。果たして、日本発の化粧筆“時空を超えて〟グローバルスタンダードになり得るか、今後の展開が注目される。

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竹田ブラシ製作所

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