連載・異業種から化粧品分野に新規参入した上場各社の化粧品事業に迫る【5】第一三共ヘルスケア、素材・製品公募制度導入、生活者の満足度創出(下)
2014.12.11
編集部
第一三共ヘルスケアの2014年3月期(前期)売上高は481億円、2015年3月期(今期)は485億円を計画している。前期の売上高に占める化粧品の売上比率は約9%、今期は10%を見込んでいる。「ミノン アミノモイスト」の全面リニューアルによる収益の向上が期待されるところだ。
全面リニューアルは、同社の企業理念「生活者満足度の高い製品・サービスを継続的に生み出し、提供することを具現化する」もの。その意味では、新しい価値を共に創造し、人々の健康維持・増進に貢献できるパートナーを広く求める同社の「素材・製品公募制度」も極めてユニークな制度として注目される。
同公募制度は、顧客の視点に立った医薬品・化粧品などのヘルスケア関連製品を提供するため、人々の健康維持・増進に貢献できるパートナーを広く求め、成分、素材、完成品を含めた取引の拡大を推進するもの。提案の募集は、同社が扱うヘルスケア関連製品に関する資材、原料、技術、OEM可能な完成品について応募書類で申し込める。申し込み内容を確認後、有望と判断した場合、2週間程度を目処に同社から相手に連絡し面談を踏まえて製品化を検討する。同社では「2007年から同制度をスタートして以降、応募状況は、毎月1ケタ台で推移している」という。
「健康美塾」(写真)と名付けたWEBマガジンも女性に対するヘルスケア増進を喚起する情報サービス活動としてユニークだ。
健康美塾は、美と健康にまつわる情報やシミをテーマにしたスキンケアゼミなど日常生活の中で、関心の高いヘルスケアに関わる情報をあらゆる視点から題材として捉え情報提供する。また、目の前の悩みを解消し合わせて願望に応える商品をブランディングすることで購買に繋げていく。