「我が社の生薬配合化粧品ビジネス」【4】中島製薬社長中島康善氏に聞く(下)

2015.05.27

特集

編集部

著名人の協力を得て商品訴求力向上、超高級漢方化粧品投入も

image1漢方薬専門の製薬会社中島製薬は、伝統の漢方薬の処方薬局に加えて新たに漢方化粧品で美容分野に参入し、成長軌道に果敢に挑戦している。そこで、2008年に同社の社長に就いて今年で7年になる中島康善氏に漢方化粧品ビジネスの取り組と今後の展開について聞いた。

―漢方化粧品ビジネスの取り組みから伺いたい

「当社は、漢方薬局を起源に約90年の歴史があり漢方薬や和漢植物に関する知識、処方、ノウハウなどを独自に構築してきました。そうした中から、新たに美容を視野に入れたビジネス展開を計画、処方を立てて企画開発したのが漢方化粧品「ビオータ」です。17種類の生薬を配合し、和漢植物が持つ生命力を生かして商品化し2010年から市場投入しました。販売チャネルは、ネット通販、漢方薬局、エステサロンなどに段階的に拡大。現在、エステサロンとの取引は、約30店舗にのぼっています。また、ここへきて百貨店での対面販売を強化する考えで現在、大手百貨店と交渉を始めており、反応は極めて良好です」

―漢方化粧品の訴求力を高めるため、どのような施策を講じていますか

「商品の認知度や訴求力をさらに高めて行くためには、エステサロンでのエステシャンの理解、協力は欠かせません。現在、商品知識や使用法などをまとめてビデオ配信し、認知度、訴求力向上に努めています。また、今後、著名人の協力を得て漢方化粧品の訴求力アップに乗り出す考えで現在、鋭意、準備を進めているところです」

―どのような新製品の開発・投入計画を持っていますか

「漢方化粧品の高級化路線を打ち出すため、1個当たりの化粧品価格が3万円の価格帯に設定した超高級漢方化粧品の商品化と市場投入を計画しています。市場・顧客の需要予測、販売方法など今後、詳細を詰める必要がありますが3年以内にも市場に投入したいと考えています」

―漢方化粧品ビジネスの中期事業目標は

「漢方・生薬の薬効解明、医師の漢方採用、保険収載など漢方・生薬を取り巻く環境は従来に増して明るくなってきました。ここへきて漢方・生薬を活用した新たな産業起こしの胎動も見られるなど漢方ビジネスの将来は一段と大きくなることが予想されます。こうした中で当社の漢方化粧品月間平均売上高は、数百万ベースとようやく軌道に乗ってきた段階にあります。この月間売上ベースを3年以内に倍に持っていく計画です。計画を実現するためにエステシャンの商品教育に力を入れてサロンとの取引を現在の30店舗から約60店舗に引き上げるほか百貨店との取引拡大、超高級漢方化粧品の市場投入などによって中期計画を達成する考えです。また、漢方化粧品の効能効果試験とエビデンスには、従来にも増して力を入れて取り組む考えです」

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