「我が社の生薬配合化粧品ビジネス」【11】大正製薬 発毛剤の開発・販売まで14年の歳月、発毛効果を実証(下)

2015.06.26

特集

編集部

大正製薬、太さ40μM以上の毛髪数の変化、1平方センチメートル当たり大正製薬は、「リアップ」の承認申請時前に行った太さ40ナノ㍍以上の毛髪数の変化(1平方センチメートル当たり)について試験を行った。試験では、使用開始4~24週間後まで4週ごとに、開始時と同一部位(1㎠)における40μm以上の太さの毛髪数の変化を確認した。試験の結果、4週間後では、0.8本だった増加数が、8週間後では15.3本となり、24週終了時では開始時から25.6本増加したことが明らかになった(グラフ参照)。

また、ミノキシジル5%製剤の開発時に当たりミノキシジル5%製剤と1%製剤を比較した臨床試験を実施した。有効性の評価においては、試験開始時と全く同一の部位(1cm2)における毛髪数の変化を1本1本調べる評価方法を採用して試験を行った。

試験では、使用開始4~24週間まで4週ごとに開始時同一部位における40μ以上の太さの変化を見た。その結果、4週間後で0.8本だった増加数が8週間で153本となり、24週終了後では256本に増加した。この結果、5%製剤は1%製剤と比較して総毛髪数及び非軟毛数(太さ40μm以上の毛髪)が増えることを確認した。さらに、医師による5段階評価を行った結果、使用24週後の中等度改善以上が、5%製剤は1%製剤と比較して優れていることを確認、高い発毛効果が認められた。

安全性の評価においては「リアップX5」で認められた副作用のほとんどが接触皮膚炎や湿疹などの皮膚症状で、その種類・程度については「リアップ」と大きな違いはなく発現頻度にやや増加傾向が見られるとしている。

一般的に、1つの新薬開発まで100億円、10年の開発期間を要する中で同社は、ミノキシジル導入契約から開発、製造承認、市場投入まで実に、約14年の歳月がかかった。が、発毛剤開発に果敢に挑戦し、現在では、毛髪市場を席巻する商品として存在感を示すまでになったモデルケースとして注目に値する。

同社は、現時点で、漢方や生薬エキス配合の育毛剤、シャンプーなどの商品化は、ごく一部に限られている。

漢方仕立てで第2類医薬品に属する胃腸薬、便秘薬、ドリンク剤などに比べれば種類、品目とも少ない。しかし、生薬の効能、エビデンスなどが明らかになるにつれ今後、多様な商品に生薬が活用され商品化されるのは必至とみられる。

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