【連載】ヘルスケアビジネスの新潮流(1)ヘルスケアビジネスの新潮流

2013.04.25

特集

編集部

ローソン、ナチュラル、ホスピタル両店舗でヘルスケアを展開

政府が新成長戦略に位置付ける医療・介護などのヘルスケア市場が過熱化の様相を呈してきた。ローソンやゲノフ、日清医療食品などがこぞってヘルスケア事業に参入し、全国、地方レベルでサービスに乗り出すなど一挙に市場が盛り上がっている。経産省も全国にヘルスケアサービスのビジネスを行う企業創出に乗り出しており今後、ヘルスケアビジネスに参入する企業が一段と増加するのは必至の情勢。

ヘルスケアサービスは、病院、医療・介護施設、薬局、スポーツ施設、個人消費者などを対象に配食、在宅見守り、リハビリ、給食、配送移動、栄養指導、決済などの事業にITを取り入れながら単独又は複数の企業・団体、自治体が連携(共同体)してサービスを提供するビジネス形態。

ローソンは、コンビニでのヘルスケアサービスとして女性客をターゲットに健康志向の加工食、サプリメントなどを豊富に揃えた首都圏限定のヘルスケア強化型店舗「ナチュラルローソン」(店舗数100店)と大病院の院内店舗「ホスピタルローソン」を両立てにして女性とシニア層対象に健康と医療を訴求しながら多店舗展開を推進してきた。
今後は、調剤薬局と一般用医薬品(OTC)の販売をさらに強化し、全国レベルで総合ヘルスケアサービスのソリューションを構築する。

調剤薬局の強化を狙って2009年に調剤薬局チェーンを展開するクオールと提携し、クオール薬局とナチュラルローソンを組み合わせた「調剤薬局併設型」店舗を展開。また、改正薬事法の施行による登録販売者制度の導入に伴い、24時間営業による一般用医薬品(OTC)の店頭販売について2010年7月にマツモトキヨシとローソンストア100と共同出店を実施するなどの取り組みを行ってきた。現在「調剤薬局併設型」店舗数は、50店を数えるほか一般用医薬品の取扱店舗拡大にも取り組んでいる。特に、調剤薬局併設型店舗の拡大を図るため、淘汰の憂き目にある個人経営薬局対象にコンビニオーナ―への鞍替えを促進するなど先行者利益に走っている。

同社のコンビニという店舗活用によるヘルスケアサービス事業の一大橋頭堡構築に向けた取り組みは、新たなヘルスケアビジネスの潮流として注目される。

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