【連載】エステ・理美容業界シェア争い激化(2)エステ・理美容業界シェア争い激化
2013.05.8
編集部
NAS直営エステ100店計画、DHC、ネイル併設店に改修
大和ハウス工業100%子会社スポーツクラブNASがエステに参入、直営エステ店をこの1~2年に100店舗を計画、大攻勢をかける。また、スポーツ施設にスイミング、フィットネス、ゴルフに加えてエステサロンも併設した大型複合施設の建設を促進する。
同社は、2005年4月に大和ハウス工業の傘下に入り2010年からエステ事業を展開。経営者などのリッチ層や中高年齢者層、下町対応などユニークな店舗展開を図り現在、直営エステ店は、全国53店舗(グリーンから譲渡した5店舗含む)にのぼる。健康余暇企業のブランド浸透の促進や消費者の健康意識の高揚を要因にさらにエステ直営店の拡大を図る考えで、この1~2年に100店舗に持って行く計画。
こうした直営店の拡大と合わせて2013年夏メドに九州・大分市内にエステ、スパ、フィットネスを併設した大型複合施設をオープンする。延べ床面積は、1200坪。すでに開業している神奈川、愛知の3複合施設と合わせて4施設となる。
大型複合施設の建設は、スポーツ施設を核にして地域の活性化を図ること。また、リネンサプライの洗浄要員として障害者の雇用促進に繋げる狙い。今後、エステ直営店の拡大とスポーやエステを核とした大型複合施設の両建てで攻勢をかける考えで同社の戦略は、競合各社の大きな脅威となろう。
同社の業績は、2013年3月期売上高140億円、営業利益7億5000万円を見込む。
未上場のDHCは、エステサロンやスパを採り入れた総合リゾート事業に乗り出している。伊豆高原赤沢温泉郷で展開する自社総合リゾート事業にエステサロン「花の部屋」(サロン名)や深層水を使ったスパを展開。また、ここへ来てエステとネイルを併設した店舗展開を図るため、直営店170店舗を対象にリニュアール化を図っている。
エステサロン「花の部屋」は、2001年に健康と癒しを目的に建設したリゾート施設赤沢温泉館オープンと同時に開業した。その後、100%深層水のスパを導入してリゾート施設としての充実を図った。現在、「花の部屋」は、同社がエステシャン教育を目的に開校したプライダルエステ専門校のエステシャン実践教育の場ともなっている。
一方、エステ直営店170店舗を対象にネイルサロンを併設したリニュアール化を昨年6月から始めた。大都市圏中心に段階的にネイルサロン併設店に刷新を図り収益確保に繋げる。
同社は、1975年12月に翻訳事業として創業以来、1983年に通販での化粧品事業に乗り出すとともに1995年にサプリメント事業に参入。この間、エステサロン、スパ、インナーウエア事業にも乗り出すなど複合経営を展開。ここへきて医薬品事業にも乗り出している。すでに、通販会員数が1000万人を突破。また、直営店も2012年7月期で170店に達し200店目前にある。しかし、同社は、未上場であることから情報の公開が限定的であり業績が不明確な部分が多い。
国税庁の監査対象企業として公告をもとに業績を見ると2012年7月期決算は、売上高1141億円(前期1031億7000万円)、営業利益144億7600万円(同161億6000万円)と増収減益の見込み。今後、同社のエステサロン展開と合わせて積極的な経営情報の開示と株式公開の動向が注目される。