【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【19】フェースグループ② ~ベンチャーの発想でスキンケア革命打ち出し独自の美容法など考案~
2016.09.27
編集部
フェースグループのベンチャー的資質は、創業以来、「本当にきれいになる化粧品は何か」を事業の要諦に据えながら、独自のスキンケア革命を打ち出して新商品、新サービスを開発してきたことが挙げられる。
同社は、化粧料基剤としての安定性と安全性に優れ、水溶性の有用成分を大量に保持できると共に、合成界面活性剤を使用する事なくある程度の油性成分をも保持できる「ゲル」という成分にいち早く着目。1988年にゲル化粧品「ビオソーム」を発売した。
同社の化粧品技術進化の始まりは、このゲルベースの無添加処方によるゲル化粧品がスキンケア革命の最初の商品となった。また、同年(1988年)に第2次スキンケア革命として位置付けて、有機成分を角質層内に入れるナノカプセル化粧法を開発した。
同時に、角質層内ラメラ美容法を実現するために「フェース生コラーゲン」と「フェースゼラチンコラーゲン」を開発し、薬物伝送システムを応用してコラーゲンを塗るだけで、角質層内に浸透させることを実現した。
2000年に第3次スキンケア革命を打ち出し、「カット・ソッド・アッセイ法」(KSA法)を用いて各成分の自社テストに乗り出した。
同試験法は、遺伝子操作技術を応用した細胞で、テスト成分が発生させる活性酸素を直接観測する試験方法。また、同試験法に基づいて肌の老化を促進する活性酸素を消去し、活性酸素を発生しない成分を選んで作ったスキンケア化粧品「ノンオキシー」を開発、エステサロン向けに販売している。
2009年には、第4次スキンケア革命を打ち出し、独自の美容法「角質層内ラメラ美容法」の理論を考案した。
従来の一般的なスキンケアは、化粧品で肌の表面に油膜をつくり、角質層内の水分の蒸散と外部からの刺激をその油膜で防いで皮膚を保護するという方法。
同美容法は、「肌の表面を油膜で保護する」という方法ではなく「角質層内のラメラ構造を整える」という新しい発想のスキンケア理論。
いわば、肌の角質層は、角質細胞と角質細胞間脂質からできており、このうち角質細胞間脂は、セラミド・脂肪酸・コレステロール・リン脂質などが層状に整列した「ラメラ構造」をつくり、水分と油分が満たされている状態を保つことによって肌のバリア機能を保持している。リン脂質は水になじみやすい部分と油になじみやすい部分からできており、この角質層内を十分に満たしていると肌は保湿力・保護機能が保たれる。
角質細胞間脂質と類似の「生体リン脂質」で角質層内のラメラ構造をうるおいで満たし、本来のバリア機能で肌を保護し、保湿するのが「ラメラ美容法」と定義。
このラメラ美容法の理論に基づいて、2つの対面方式のスキンケア化粧品「ラメラモード」「ラメラベールEX」を開発、新たなイノベーションの波を起こした。