内分泌かく乱物質BPAの代替品、小児肥満に関連
2019.07.31
国際部
プラスチックなどに含まれる一般的な化学物質への曝露が小児肥満に関連しているという研究結果が7月25日、米国ワシントンに本部を置くThe Endocrine Societyからニュースリリースされた。この研究の詳細は「Journal of the Endocrine Society」オンラインに掲載されている。
内分泌かく乱物質ビスフェノールA(BPA)の代替品として使用されてきたビスフェノールS(BPS)およびビスフェノールF(BPF)は、プラスチックやアルミ缶などに使用されている。「BPSおよびBPFへの曝露は米国では非常に一般的であるため、この研究は重要な意味を持っている。食事と運動は依然として肥満の主な要因であると理解されているが、この研究は一般的な化学物質曝露が特に子供たちの間で肥満原因である可能性がある」と米NYU School of MedicineのMelanie Jacobson 博士は述べている。
今回の研究では、米国国民健康栄養調査のデータから6~19歳までのBPA、BPS、およびBPFと体重との関連性を評価した。その結果、尿中のBPSとBPFのレベルが高い小児は、低レベルの小児と比較して肥満になる可能性が高かった。BPAを類似の化学物質に置き換えても、化学物質への曝露による健康への悪影響が軽減されることはないと研究者らは懸念を示している。