土肉桂抽出物からメラニン抑制効果を発見
2019.10.24
国際部
土肉桂抽出物からメラニン形成を抑制する物質が発見されたという報告が10月11日、「Antioxidants」オンラインに掲載された。
台湾の固有種である土肉桂(cinnamomoum osmophloeum Kanehira:COK)の葉抽出物(ヒドロゾル)の化学組成、抗酸化活性、キノコチロシナーゼ阻害、メラニン合成抑制、およびDNA損傷に対する保護効果を検討した。その結果、COKヒドロゾルの抗酸化特性がフェノール含有量と密接に相関していることが確認された。さらに、ヒドロゾルの主要成分であるシンナムアルデヒドおよびベンズアルデヒドは、モノフェノラーゼおよびジフェノラーゼ活性の両方に対して用量依存的な抗チロシナーゼ効果を有していることがわかった。GC-MS分析により、ヒドロゾルの主要活性成分は、トランスシンナムアルデヒド(87.7%)、ベンズアルデヒド(7.0%)、および酢酸シンナミル(5.3%)であることが明らかになった。動態解析では、Lineweaver-Burkプロットおよび再プロットにより、COKヒドロゾルが混合阻害剤であることが示された。また、低用量のCOKヒドロゾルでαメラニン細胞刺激ホルモンによる小眼球症関連転写因子の合成が抑制され、B16-F10メラノーマ細胞のメラニン合成が減少することがわかった。
これらの結果から、水蒸気蒸留を使用したCOK葉からのヒドロゾルの生産が、酸化防止剤、抗チロシナーゼ、抗メラニン形成、およびDNA保護活性を備えた、化粧品および医薬品用途の皮膚美白剤の安全かつ有効な供給源を提供し得ることが実証できた。