海藻ミルの抽出物、腸内微生物叢の調整に効果

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2020.06.29

国際部

ミル抽出物が腸内微生物叢を調節することにより高脂肪食誘発性代謝を改善するという動物実験の結果が621日、「Nutrients」オンラインに掲載された。

海藻の一種、ミル(Codium fragile、和名:海松)は、免疫賦活作用、抗炎症作用、抗肥満作用、抗癌作用などを期待される機能的原料として利用されている。今回、韓国で行われた研究では細菌叢の調節を介した肥満に対するCF抽出物の効果を検討した。試験は食餌誘発性肥満マウスを用い、腸内微生物叢に対するCF抽出物の抗肥満効果を調査した。高脂肪(HF)食を与えられたC57BL/6マウスの胃内にCF抽出物を12週間与えたところ、マウスの体重と脂肪細胞のサイズが有意に減少し、コレステロールとグルコースの血清レベルが低下した。

さらに、CF抽出物は腸内細菌叢の主要な構成菌であるBacteroidetesの量を増やし、Verrucomicrobia種の量を減らすことにより、マウスの腸内細菌叢を大幅にシフトさせた。この腸内細菌叢の変化により、脂肪細胞(メバロン酸代謝)、体内のエナジーハーベスティング(ピルビン酸発酵および解糖)、食欲(コリスミ酸生合成)および代謝障害(イソプレン生合成、尿素代謝、ペプチドグリカン生合成)の調節に関与する予測腸管代謝経路がシフトした。この研究は、CF抽出物がHF誘発肥満マウスの腸内微生物叢を調節することにより腸の代謝を改善することを示したと研究者らは述べている。

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