【連載】この中小化粧品会社に注目㊶アンズコーポレーション(下)~化粧品事業とOEⅯ事業の両立で事業推進~
2021.02.26
編集部
アンズコーポレーションは、ロート製薬の商品を委託生産する関係会社。同社の売上高は、2019年度で約73億円、社員数約320名(2020年5月)に上る。
現在、国内事業は、自社ブランドで美肌研究から生まれた高機能メディカルスキンケア「アトレージュADプラス」や「アトレージュピュア」「ララヴィ」等をドラッグストア、総合スーパー、大手ECサイトなどの一般市場で販売している。
国内事業の中で訪問販売事業は、旧ジョセフィンとして創業した1960年にスタートした。当初、戸別訪問が中心だったが顧客へのカウンセリングを中心とした集客型の対面販売に切り替えた。
今では、個客満足度を高めるため、販売員の商品知識や美容知識・技術の向上に加えて顧客に対して訪販ブランドコスメ「ジョセフィン」の普及啓もうと「出会いの場」の提供による販促を積極的に行っている。
国内事業の中で主力事業にのし上がったODⅯ事業は、2018年にそれまでのOEⅯ事業に切り替えて取り組んだ。
自社ブランド化粧品事業と並んで中軸事業のODⅯ事業は現在、処方開発など得意技術を生かして開発・設計から生産までを一貫して受託している。すでにOEⅯ事業は、同社の総売上高の約8割程度を占めるまでに成長している。
また、国内外の個客に自社ブランド商品をそれぞれの国や地域にあった商品として開発するマステージ事業や世界中から集めたボタニカル美容オイル&バターを使用目的、機能別に適正化して商品化するララヴィ事業にも力を入れている。
一方、海外事業は、1984年にマレーシア、シンガポールからスタートして以降、現在は中国、香港、台湾、シンガポール、ベトナム、インドにおいて現地パートナーを通じて販売している。
引き続き、新興国への進出も計画するなど自社ブランドビジネスの成長を一段と促進する方針。
同社は、中期目標として化粧品事業の売り上げを300憶円の大台乗せを目論んでいる。この中期目標を達成するために三井物産ケミカルの強力な支援に期待するところが大きい。
果たして国内外にわたってどのようなエンジンをふかして目標の数値を達成するのか、コロナ禍に直面して今後の展開が注視されるところだ。