ニキビ患者のマラセチア毛包炎有病率は約30%
2022.12.21
国際部
臨床的に尋常性ざ瘡と診断された患者におけるマラセチア毛包炎の有病率、関連因子、および臨床的特徴を検討した結果が12月10日、「Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology」オンラインに掲載された。
マラセチア毛包炎は皮膚の常在菌マラセチアによる疾患で、臨床症状は尋常性ざ瘡(ニキビ)と似ており、胸ニキビや背中ニキビなどの形で現れることが多い。また、ニキビと併存することも多いため、マラセチア毛包炎の有病率は過小評価されがちである。今回の研究では、ニキビと診断された320人患者でのマラセチア毛包炎患者の有病率をの確定を試みた。ニキビ(位置と重症度)、ふけ、および脂漏性皮膚炎の臨床症状は皮膚科医によって評価された。マラセチア酵母の異常な増殖を決定するための細胞学的試験は、膿疱から、または膿疱がない場合は面皰様丘疹、および面皰から行われた。
その結果、臨床的にニキビと診断された患者におけるマラセチア毛包炎の有病率は28.8%だった。このうち24.7%がマラセチア毛包炎を伴うニキビ、4.1%がマラセチア毛包炎のみと分類できた。マラセチア毛包炎と診断された患者は、ニキビと診断された患者よりも、かゆみを生じる確率が7.38倍高かった。マラセチア毛包炎患者は、マラセチア毛包炎のない患者に比べて、頭皮/髪の生え際と背中上部にざ瘡様病変のリスクがそれぞれ8.89倍と9.17倍高かった。