認知機能も改善する地中海式ダイエット
2015.05.15
国際部
地中海式ダイエットが認知症にも効くかもしれないという論文が5月11日、「JAMA Internal Medicine」オンライン版に掲載された。
酸化ストレスと血管障害は加齢による認知機能の低下に関連している。そこで、抗酸化食品が豊富な地中海式の食事は心臓を保護するのみならず、認知症にも効果があるのではないかという仮説が立てられていた。
試験は、平均年齢66.9歳で心血管リスクの高い男女ボランティア447人の参加で実施された。全員、認知機能に問題はなかった。参加者はオリーブオイルを追加した地中海食グループ、ミックスナッツを追加した地中海食グループ、対照の食物脂肪を減らした食事のグループの3つに分けられ、平均4.1年の追跡期間で、追跡可能だった334人のデータを解析した。その結果、対照グループに比べ、オリーブオイル追加のグループで、認知機能を評価するRAVLTスコア、注意機能を評価するカラートレイル検査の結果が良好だった。試験開始からの認知機能全体の変化は、オリーブオイル追加グループで+0.05、ナッツ追加グループでは-0.05、対照グループでは-0.38だった。対照の食物脂肪を減らしたグループでは、認知機能の全要素がマイナスを示した。
研究者らは、オリーブオイルやナッツを追加した地中海式ダイエットは、高齢者の認知機能を改善したと述べている。