菜食主義に栄養サプリメントは不可欠なようだ
2016.03.25
国際部
理想的な食事とも言われている菜食主義(ビーガン)では栄養サプリメントが必要な場合も多いという研究が3月22日、ウェスタン・フィンランド大学のプレスリリースで発表された。詳細はオンラインジャーナルの「PLOS ONE」に掲載されている。
ベジタリアンやビーガンなどの菜食は特に欧米で広がる傾向にあるという。菜食主義(ビーガン)は、栄養摂取に関するさまざまな勧告や推奨に準拠しており、バランスが取れている場合には理想的な食事であるとも言われている。
フィンランドで行われた今回の研究では、8年以上菜食を続けてきた人を対象に、その栄養バランスについての調査を実施した。菜食主義の男性6人および女性16人と、対照グループとして菜食主義でない男性8人および女性11人の参加者を得た。各人とも3日間の食事記録から食物摂取状況を分析し、栄養状態は血液および尿のサンプルから測定した。
栄養サプリメントは、ビーガングループの91%、非ビーガングループの78%が使用していた。ビーガングループ内では、ビタミンB12は91%、ビタミンDは77%、またほとんどの人がカルシウム強化飲料を使用していた。
ビタミンB12濃度は、両グループとも基準値内だった。血清ビタミンD濃度は、ビーガングループ24%、非ビーガングループ6%で基準値未満だった。ビーガングループではまた、βカロテン、セレン、ヨウ素、EPA、DHA脂肪酸濃度も低かった。また、飽和脂肪酸濃度は低く、多価不飽和脂肪酸濃度は高かった。
尿中のヨウ素濃度の中央値は両グループとも推奨レベル以下だったが、他の研究で、過去数年間にわたって、フィンランドのヨウ素摂取量が減少しているとも報告されている。今回の調査結果から研究者らは、菜食主義者にはビタミンB12、ビタミンDとヨウ素のサプリメントが必要なことを示唆している。