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カカオ農園の廃棄物からアンチエイジング成分

カカオポッドからの抽出物がしわに効果があったことが4月4日、「Journal of Cosmetic Dermatology」オンライン版に掲載された。

ココアポッドとはカカオの木になる果実で長径20㎝ほどのラグビーボール型。中のカカオ豆を使用するため、カカオポッドは農園の廃棄物であり、放置すればブラックポッド病の病原菌palmivoraの繁殖地となるため処分に困るものであった。一方で、カカオポッドの豊富な抗酸化化合物は、抗しわ効果があるとして注目されていた。

今回の調査では、カカオポッド抽出物を液体クロマトグラフィー – 質量分析(LC-MS)を用いてスクリーニングした。繊維芽細胞を用いて抽出物の有効濃度を決定、また皮膚状態の改善は12人のパネラーによって判断した。

抽出物からはリンゴ酸、プロシアニジンB1、ロスマリン酸、プロシアニジンC1、アピゲニン、エラグ酸が検出され、しわを減少させる効果のある成分であることも確認された。抽出物を入れたゲルを塗布した実験では、3週間で6.38 ± 1.23%のしわの減少、5週間では12.39 ± 1.59%という大幅な減少が見られた。水分は3週間後に3.181±1.06%増加していた。

カカオポッドに含有された成分は化粧品の機能特性に有効だった。皮膚細胞に対しても非毒性で、しわへの効果も確認された。抗しわ製品の活性化成分として有望で、長期的な使用で視覚的にもわかるようなしわの改善が見込まれると結論された。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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