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欧州で食品廃棄物から有効成分の開発が活発化

世界で再生可能な有効成分の研究開発が進む中、欧州で食品廃棄物から食品・栄養補助食品およびパーソナルケア製品への応用研究が活発化しているらしい。英国のオーガニック関連製品コンサルティング会社Organic Monitor社は、公式サイトで5月26日、欧州の研究事例を紹介した。

同社のレポートによると、EU(欧州連合) は食品廃棄物から新しい成分の開発を促進する研究に積極的に資金援助をしている。BIORICEプロジェクトでは、米の廃棄物から抽出したデンプンを栄養補助食品や化粧品原料に応用する研究を推進。また、プロジェクトAPROPOSでは、魚のサーモンや菜種の廃棄物からタンパク質を抽出してパーソナルケア製品への応用が研究されているという。

バイオ研究の動きとして、スイスの FoodSolutionsTeam社は、グリーンケミストリーを適応して人参などの食品廃棄物から活性物質を摘出する研究を重ねており、オランダの Phytonext社は柑橘類の皮とトマトの廃棄物から有効成分の生成を研究している。

さらに、実例として英大手小売業のマークス&スペンサー(M&S)から販売されている「Super Grape」のスキンケアラインを紹介。赤ブドウの皮から有効なレスベラトロールの成分を抽出しスキンケアの成分への再利用に成功した。M&Sは、独自のラベルのワイン生産者からの廃棄物を再利用してサステナビリティの環境保護にも貢献している。

2050年までに90億に達すると予測される世界人口の増加に伴い、農地がますます希少になるだろうと予測される。食品廃棄物のリサイクル法や新しい資源の開発がより期待される、などとOrganic Monitor社は指摘する。

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ヴァレリー・康子

顧問記者(国際ビジネス、マーケティング)

Yasuko Valery/早稲田大学大学院卒。英インデペンデント新聞社東京支局オフィスマネージャーを経て、日本経済新聞社ロサンゼルス支局で米国西海岸の流通、産業分野を専門に記者経験を積む。本紙では主に、米国欧州の海外メーカー、ブランドの動向、海外市場の動向、新規ビジネスモデルなどを担当。現在はロンドンに在住

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