慢性便秘に効く電気鍼治療
2016.09.20
国際部
慢性便秘に鍼治療が効果的だったという報告が9月13日、「Annals of Internal Medicine」オンライン版に掲載された。
中国で15カ所の病院、1075人の慢性便秘患者を対象に、電気鍼の有効性を評価する無作為化並列プラセボ対照試験が実施された。電気鍼による治療は8週間、28セッション行われた。自発的な便通があったかを評価項目とし、評価は試験期間の8週およびその後20週目まで継続された。
その結果、試験中の1週間の自発的便通は電気鍼で1.76 (95% CI, 1.61 to 1.89)増加、偽鍼(プラセボ)では0.87 (CI, 0.73 to 0.97)の増加だった。試験後の20週目まででは、電気鍼1.96 (CI, 1.78 to 2.11)、偽鍼(プラセボ)0.89(CI, 0.69 to 0.95) だった。週3回以上の便通があった患者は電気鍼グループの試験中で31.3%、試験後で37.7%、偽鍼(プラセボ)グループの試験中で12.1%、試験後で14.1%だった。鍼治療に関連した有害事象は、どちらにグループでもまれに起こったが、全て軽微なものだった。この研究から、慢性便秘に、8週間の鍼治療で効果があることが示唆された。長期追跡の結果の評価が課題と研究者らは述べている。